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教授との研究プロジェクト

早いもので冬学期も半ばを超え6週目に入った。
前学期があまりに授業を詰め込み過ぎて全く余裕がなかったので、今学期は授業は2つにしたのだが、思ったよりは忙しい。

一つには今学期から大学で20時間仕事をすることで学費を免除にしてもらっているので、20時間は取られるということがある。そしてもう一つは教授との研究プロジェクト。現在2つのプロジェクトに入って、教授について研究の実践経験を積んでいるため、フィールドワークをしなければならない。具体的には、小学校のESLプログラム(移民の子女や留学生など第二言語としての英語を教えるプログラム)を回って、ESLの先生たちに、一人1時間〜1時間半に渡るインタビューをしている。そのあとでインタビューの音声ファイルをトランスクライブ(インタビューの聴き起こし・書き起こし)をしているので、かなり時間が取られているということがある。だいたい30分のインタビューで6時間(早口のアメリカ人のインタビューの書き起こしの場合は8時間)かかる。よって、1時間半のインタビューとなると、膨大な時間が取られるのである。とはいえ、アメリカ人のESLの先生たちにインタビューをするのは色々思わぬ話が聞けたりして面白い。

インタビューというのは適当にその場に応じての質問もするのだが、どのような順序で、どのような内容の質問をするのか、あらかじめちゃんと質問のリストを作らねばならない。そして教授によれば、実際にインタビューするときにはそのリストを見てはならず、質問は頭に入れておきつつ、話の流れに応じて臨機応変に質問内容を変えたり順序を入れ替えたりするものだという。

良いインタビュアーになるには相当の実践訓練が必要だということである。自分が良い話をするのではなく、いかに相手から良い話をスムーズに引き出すことが出来るか、いかに相手が話しやすい雰囲気を作るか、など、良いインタビューをするというのはある意味芸術に近いものがある。

教育・社会分野の研究方法には大きく分けて3つあり、一つはQuantitative Methods(量的研究:統計など数字を使う研究で、目的は多くのサンプルから概論を引きだすこと)、そしてQualitative Methods(質的研究:インタビューや観察・見学・ケーススタディなどを通じて、比較的少ないサンプルを奥深く研究する)、そしてMixed Methods(量的研究と質的研究を組み合わせたもの)である。質的研究者になるには、良いインタビューが出来ることが必須なので、今回、この小学校のESLプログラムについてのプロジェクトに参加させてもらえたことは本当にいい経験になっている。

同じプログラムの同期入学には14名がいるが、そのうち教授との共同研究の機会をもらっているのは数少ない。博士課程の2年目は、一応プログラムでは「教授との共同研究をする」というのが必修になっていて、最低10単位を取らねばならないのだが、実質は、学生同士で何かの「研究」をして教授にアドバイスをもらい、「共同研究」という名目で単位をもらっているのがほとんどである。そういう学生に話を聞くと、実質何もしていない、という場合が多いので、秋口に教授から声をかけてもらった私の場合は、本当にラッキーだったと思う。

ESLの先生を訪れてインタビューをしながら、複雑な思いに駆られることもある。生徒のことや授業内容などの話を聞いていると、英語を教えたいという情熱と欲求を感じ、自分は本当は研究者には向いていないのではないか、単なる一人の教員として、生徒を相手にすることのほうが自分のやりたいことなのではないか、と思ったりするのである。まあまだ修行の身としては、そういうことは追々考えていけばよいとして、今はまず学位に向けてやるべきことをやるのみである。


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